第9回 ピックアップ

星の数ほどあるピックアップの中からベストなものを選ぶのは至難の技です。
聞けば聞くほどいったいどれが良いのか分からなくなります(笑)
2つのあるうちどっちが良いかは分かっても、沢山の中から1つを選ぶというのは難しいものです。

今回は私が弾いたシングルコイルピックアップの中から選んでみたいと思います。

1、純正フェンダーピックアップ50年代
  フェンダー純正と言っても数多く、その中でも50年代のピックアップと60年代のピックアップについてお話しましょう。
  私の57年ストラトと63年ストラトについているピックアップは同じフェンダーでもまったく音が違い、
  57年ストラトはブライトで軽くバラランという感じで、クリアで分離が良く広がりがあります。
  この音は他では再現出来ない音でしょう。まさに長い時間が作った音です。
  現在の他のピックアップも時間が経つとこんな音になると良いですね!

1.5、純正フェンダーピックアップ60年代
  60年ストラトはもっとパワーがあり、ゴーンと鳴ります。
  分離はそれほどでもなく音の塊のような感じ。良い意味でやや濁ったような音色で迫力があります。
  50年代のストラトはまったく別の音がします。これはその当時に流行っていた音楽が違うことが原因でしょうか。
  求められる音に対するフェンダーなりの答えなのでしょう。

  前者はカントリーやフォーク、軽いロック、後者はブルースやハードロック向きでしょうか?
  良い悪いでは無く、そういう個性だと言うことです。

2、フェンダーテキサススペシャル
  こちらは現在のフェンダーのピックアップです。決して悪くなく、50年代のストラトを表現しています。
  カラッとしていて軽く、クリーンな響きはフェンダーならではでしょう。
  しかし、リアはターン数が違い、歪ませると結構粘ってくれ、重宝します。

3、フェンダージャパン純正ピックアップ
  こちらは低価格帯モデルのピックアップです。ほぼ5万円代のモデルに搭載されているピックアップでしょう。
  なにか中抜けというか、枯れた感じと言うよりは中音域がなさすぎのような気がします。
  もう少し中音域を太らせると良い感じなのですが・・・

4、ヴァンザント トゥルーヴィンテージ
  こちらは伝統の手巻きにこだわり、良きフェンダー初期のような音を目指したピックアップです。
  値段もちと高めですが、損はしません。現在のフェンダーUSAより良い音がすると思います。
  ただ、トゥルーヴィンテージはあくまでも50年代のストラトの音を目指していますので、
  歪みには強くありません。もっと歪ませた音が欲しいなら、ロックやブルースをお勧めします。
    パワーよりピュア感を追求したピックアップなのでそういう音が欲しい方向き

5、ヴァンザント ブルース
  こちらは60年代のストラトそのままの音です。
  歪みにも強く、粘りがあり、濁ったような迫力のある音です。
  スティービーレイヴォーンなどの音を目指している方はこちらのほうが、お勧めです。
  このピックアップは本当にお勧めで、私としてはヴァンザントの中でイチオシです。

6、フェルナンデス L5001ヴィンテージ
  これは単体では発売されていません。70年代後半から80年代のFST、RSTシリーズトップモデルに搭載されたピックアップです。
  ほぼ50年代ストラトの音を表現していると言って良いでしょう。
  唯一の問題はこのピックアップを搭載したギターがあまり市場に出回っていないことでしょうか。
  もし見かけたら、ゲットしておくことをお勧めします。

7、EMG SA
  これはアクティブピックアップです。
  アクティブの音を嫌う人は多いですが、実戦ではかなり重宝します。
  ノイズは皆無、クリアな音色、エフェクターのノリも良くとても使いやすいピックアップです。
  また癖というものが無く、どんな音にも加工できる点も良いですね!

8、バルトリーニ
  パッシブながらローノイズ、クリアなトーンが特徴です。
  内部構造はモールドされ見ることができません。
  タップすることができ、フルターン、ハーフターンを使い分けることが出来、
  あらゆるシチュエーションに対応できる便利なピックアップです。

9、バッカス製ピックアップ
  これも単品では発売されていないと思います。
  バッカス製のストラトに搭載されているピックアップですが、これが結構良いのです。
  まぁ定価10万円のギターなのですから、当然と言えば当然ですが(笑)
  まだ新しい感じがするのが難点でしょうか?もう少し枯れた感じがしたら更に良いでしょう。
  ちなみに世間では評価低いです(笑)私は好きですけど・・・

10、セイモアダンカン SSL−1
  私が入手したのは20年前のものなので、新しいものとはちょっと印象が違うかもしれません。
  まるでヴィンテージフェンダーのような音なのです。きっと言われなければ分からないと思います。
  中音域がやや抜けた、いわゆる枯れた音と言うのでしょうか。
  ドンシャリとはちょっとニュアンスが違う、低音域がビーンビーンと響き、高音も抜けるというあの音です。
  もし見つけたらゲットしてください。現在かなり安く入手出来ると思います。

11、トーカイ製シングルコイル80年代
  トーカイには2つのシングルコイルが存在し、6万円前後の機種に搭載されていたものと、
  8万円以上の上級機種に搭載されていた2つがありました。
  中級機種のほうは、パワー感、艶、歯切れの良さなどあまり誉められたものではなく、
  トーカイ信者はガッカリするかもしれません。
  しかし、ST−80などの上級機種に搭載されているピックアップはかなりの出来で、
  フェルナンデスのL5001ヴィンテージに勝るとも劣らない物です。
  しかし、ややハーフトーンが美しくないところが気に入らないかな?

12、グレコSE500用シングルコイル
  こちらは80年代のグレコの中級機種に搭載されていたピックアップです。
  艶はありませんが、パワー感はすごいものがあります。他のギターと同じアンプセッティングでも
  このギターで弾くとクランチと言えるほど軽く歪んできます。
  フェンダーの音とは違いますが、これはこれで良いかも!
  フェルナンデスのL5000ヴィンテージ(RST50用シングルコイル)とどちらが良いか悩むことでしょう。

13、ギブソンP−90
  ギブソンのシングルコイル。ドッグイヤーやソープバーなどいくつかのバージョンがありますが、基本的には同じ構造です。
  このシングルコイルはフェンダーとは対照的で、中音域がややジャリジャリとした感じがします。
  ソリッドで艶の無い音はこのピックアップの特徴で、ロックンロールにはぴったり!
  最近ではグランジ系のギタリストに見直されて意外と人気があります。チャーの68年レスポールもこの音ですね!
  最近レスポールジュニア'58年製を弾きました!いやぁぁぁ良い音します!
  やはりヴィンテージはいい!もう言い切っちゃいます!!(笑)

14、ESP製テレキャスター用ピックアップ
   型番が不明なので現在調査中ですが、このピックアップは抜群です!!
   現在のUSAフェンダーのヴィンテージテリー用ピックアップより良いくらい!
   フロントは甘く、リアはカキーンと言ったテリー独特のサウンドで、特にリアは使えます。
   なかなかテリー用のリアピックアップで使えるものが無いとお嘆きの貴兄は一度試して頂きたい!(笑)
   はっきり言って、フェンダーのテリーよりテリーらしいピックアップです。
   早急に型番を調べます(笑)

 

ハムバッキング

1、ギブソン57クラシック
  ギブソンが誇るPAFレプリカピックアップです。変にパワーがあるわけでなく、素直な音が特徴です。
  私はハムバッキングと言うとどうしてもパワー重視というイメージがありますが、たしかにシングルコイルに比べると
  パワーはありますが、ハムバッキングの中ではローパワーのほうでしょう。
  しかも、御茶ノ水のケンギターでは格安で販売しているのでお買い得だと思います。

2、ギブソンバーストバッカーT,U
  上記の57クラシックの上級版で、さらにPAFを追及したピックアップ。
  結構な値段ですが、その価値はあると思います。
  名前から想像するよりずっと素直な音(笑)で、甘く伸びのある音は特有のものです。
  ある程度のギターに搭載すれば、それなりに良い音がするピックアップですね。

3、EMG81,85
  アクティブピックアップが特徴のEMG。
  しかし、決して癖のあるものでは無く、とても素直な音がします。
  やや歪ませた時にコンプレッションが強いようですが、ロックに使うなら最高でしょう。
  使うアンプを選ばずどんなアンプに繋いでも、良い音がするのでアンプのセッティングが下手になる恐れがあります(笑)
  ノイズも無くレコーディングやライブには最適なピックアップでしょう。

4、グレコスクリーミン
  80年代にDRYが発売される前の主流ピックアップ。
  発売からすでに20年以上経過しているので、枯れた感じがたまりません。
  角が取れて、音に丸みがあり、ふくよかな感じはとても国産とは思えず、
  DRYとほぼ中身は同じですが、DRYはプレミアが付いているのでこちらのほうがお得かも!
  私のイチオシピックアップ!中古価格も安いので見つけたらゲットすべし!!

5、フェルナンデスVH−1
  フェルナンデスが85年頃に発表したピックアップのひとつ。
  それまでのLシリーズからVHシリーズに統一され、その中でもVH−1はヴィンテージレプリカピックアップという存在でした
  出力よりレスポンスと艶を重視した、ヴィンテージレプリカだけあって、その音はパワーと艶のバランスが見事です。
  このころにはピックアップ単体販売もしているので、もし見つけたらゲットしましょう。

6、フェルナンデスL8001
  80年代前半まで作られていたピックアップで当時の型版である、Lシリーズです。
  シングルがL5000シリーズ、ハムバッキングがL8000シリーズで、L8000シリーズの上級版にあたります。
  L5001もかなりの逸品ですが、負けず劣らずL8001も良いピックアップで、
  ギブソンのピックアップに対しまったく劣っていません。
  しかし、単体での販売が無かったっため、見つけるのに苦労するかもしれません。
  もし見つけたら・・・(笑)

7、ヤマハスピネックス
  こちらも単体では発売していません。このピックアップはSGシリーズに搭載されているものです。
  このピックアップは大音量時のハウリングに対し強いと歌われています。
  確かにそれまでのSG1000やSG2000に搭載されているピックアップはハウリングしやすく、
  ちょっと歪ませるとキーキー言って弾けないほどでした。
  そんな使いづらさを改善したのが、このスピネックスで、それまでのようなパワーはありませんが、
  素直な音でエフェクトのノリも良く、フュージョンなどには最適ではないでしょうか?
  タップできるのも使い勝手を更に良くしていますね!

8、ディマジオスーパーディストーション
  80年代ディマジオが大ブームになった時代がありました。
  リプレイスメントピックアップの走りですね!
  その中でもスーパーディストーションはハイパワーのピックアップでディマジオPAFと双璧をなすものでした
  このころからPAFという言葉が使われだし、50年代のギブソンのピックアップが見直されプレミアが付くようになりました。
  さて、このスーパーディストーションですが、はっきり言ってすごいパワー!(笑)
  他のギターと同じアンプセッティングでは使えないくらい歪みます。
  またエフェクターもかけ過ぎるとつぶれてしまい、何を弾いてるのか分からなくなってしまいます。
  あくまでナチュラルな歪みのセッティングを目指すべきでしょう。
  そうするとこのピックアップの良さが見えてきます。マーシャルとの相性は抜群です!!

9、ダンカン59&JB
  セイモアダンカン製もディマジオと同じように、有名なリプレイスメントピックアップメーカーですね
  説明するのもナンですが(笑)やはりレスポール&マーシャルとの相性は抜群で、
  甘く、伸びのあるディストーションは弾いていて気持ちの良いものです。
  ソロを弾くには最高かも!!
  低音はやや締まった感じで、タイトなイメージです。
  バッキングにはやや物足りないか?
  でもバンドの中では埋もれないサウンドです。ディマジオとは逆方向の音でしょう。

10、グレコDRY
  グレコが気合を入れて世に送り出した自信作!
  たしかに艶、倍音等突出したものがあります。ただし単品で定価2万円はやや高いかも?
  これならギブソンやダンカンが買えてしまいます。
  当時スーパーリアルのEGF1,200以上に搭載されていたはずです。
  改めて買う気にはなりませんが、もしあなたのギターに搭載されていたら・・・私にください(笑)

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