第1回 愛すべき国産Vintage Guitarたち

 なんというタイトルでしょう!
いままでこんなに恥ずかしいタイトルを付けたページがあったでしょうか?(笑)

 日本のギター人口を支えたのはギブソンやフェンダーではなく、メイドインジャパンのギターたちです。
90年代に入ってからはコピーブームは去り、オリジナルギターで勝負していますが、
かつて70、80年代にはコピー、レプリカ戦争が勃発し
どこのメーカーもギブソン、フェンダーのコピーモデルを出していたものです。
そんなギターたちにスポットライトを当てたいと考えています。


フェルナンデスFST80 1979年

 記念すべき第1回目はフェルナンデス社の70年代後半に作られたシリーズ中、最高機種FST80です。

 どこから見ても50年代のストラトモデルなのですが、実は22フレットあったり、11点止めだったりと独自仕様?な部分が結構あります。

 音はこのモデルに搭載されているピックアップL5001ヴィンテージは最高で私の所有する’63ストラトキャスターにも劣らないパワーがあります。

20年間弾きこんでいるのでミント状態とはいきませんが現在も現役バリバリの太い音してます。

スペック紹介
・2ピースアルダーボディ
・3角ネック
・クルーソン社製(2列表示)ペグ
・L5001ヴィンテージピックアップ
・22フレット
・11点止めピックガード
・2トーンサンバーストUフィニッシュ
(艶消し塗装)
・ダイキャスト一体成形ブリッジ

インプレッション

 まずこのルックスにやられます(笑)渋い2トーンサンバーストとメイプルネック。50年代のストラト好きにはたまらないルックスです。しかもオーダーの艶消し塗装のため更に古く見えるところもポイントです。ネックも適度に焼けヴィンテージ度を上げています。

 ネックを握ると3角ネックが手にピッタリとフィットし、とても握りやすい印象です。なぜ本家フェンダーは3角ネックを’57年で止めてしまったのでしょうか?

 弾いてみると太い・・・太い音です。この太さは国産のストラトモデルにはありません。またフレットは本家フェンダーに比べかなり太い印象です、このころのFSTシリーズ共通なのでしょう。指板はフェンダーと同じ184Rです。この辺は若干好みの分かれるところですね。

 印象としてはやはりピックアップが良い!このあとのRSTシリーズの最高機種RST80のみに引き継がれたL5001ヴィンテージピックアップはまさに名器です。国産恐るべし!

 もし弾く機会があったら是非、手にとって弾いてみて欲しいギターです。最近のヴァンザントやダンカンにも絶対負けないサウンドですよ!これで定価8万円は絶対に安い!
 唯一の問題は当時、国産のコピーモデルに8万円も出す人は希で、中古の流通量が少ないのがネックかな